昨日、ポートランド-世界で一番住みたい街をつくるの著者である山崎満広さんの公演に行ってきた。
ポートランドは1970年代、アメリカではもっとも空気が悪い、川が汚いという街だった。
そんな街が40年間の努力により世界一住みたい街に変わったのだ。
どうやって街を変えていったのか、何が成功した理由なのかを聞いてきたので書いていく。
山崎満広さんとポートランドについて
山崎 満広(やまざき みつひろ、1975年6月6日 - )は、日本の都市計画コンサルタント、コンサルタント。ポートランド市開発局。オレゴン日米協会理事、シブヤ大学講師、東大まちづくり大学院講師。テキサス州サンアントニオ市アジア商工会会議所理事を歴任。都市の持続可能な経済開発やプロジェクトマネジメントに携わる。アメリカオレゴン州ポートランド在住。
山崎さんは高校を卒業して、95年に渡米し大学へ行った。
渡米した頃には街を変えよう改革は半ばにさしかかっている頃であっただろう。
ポートランドは、人口60万人の都市であり、クラフトビールやコーヒーが有名である。
人口60万人というと、愛媛県松山市や鹿児島県鹿児島市と同じくらいの規模。
そして実はナイキやコロンビアといった超有名企業の本社もあるんだって。
そして現在は住みやすい街、世界一の称号を手に入れた。
しかし、ずっといい街と言われていたかというとそうではない。
1970年代のポートランドはアメリカで一番空気、川が汚い地域と不名誉な称号を与えられていた。
夕方になると誰も外を出歩かず、麻薬取引やギャングがたくさんいる街として有名だったみたい。
これではまずいとなったポートランドは人が住むための街づくりをするために動き出した。
その時の都市デザインがこちら
にぎわいがあり、居心地が良い空間を作る、これがポートランドの基本となる考え方になった。
そして具体化した結果、縁側空間を大切にし、お店の中のにぎわいを外に歩いている人にも感じさせるようにした。
よくある外にもテラスのあるバーみたいなやつ。
ああいったお店がポートランドには多く存在する。
どうやってそのような店を増やしたかというと、縁側空間を利用できるようにオープンにするためのリフォームには補助金をだすこと。
このように官民共同で行うことで実現している。
また外で市場のようなものを開き野菜などを売ることで、シェフと作り手のコミュニケーションの場所を与える。
そうすることで地産地消の意識が高まる。
ポートランドがいい街になったのは、
①官民が協力したこと
②コミュニケーションの場を与えたこと
この二つが大きく影響したのではないかと感じた。
成功させるには
皆さんは全国から移住してくれるようないい街を作ろう!と思った時にどんなことをしようと考えますか?
大型商業施設をつくる?
交通の便をよくするため地下鉄をつくる?新幹線を通す?
確かにこれらのことがあれば便利であるし、住みやすい街になるかもしれません。
しかし、それは本当に住人が望んでいることなのでしょうか?
物事には目に見えるハードな部分と目に見えないソフトな部分がある。
そしてこれを木に例えるとこうなる。
目に見えるハードな部分はとても立派であり、みんなから賞賛される。
しかし、ハードな部分はソフトな部分の土の質、肥料、水などがいいから出来上がるもの。
つまりソフトな部分がしっかりしているからこそ、ハードが輝くのである。
これを街づくりに当てはめると、最初に言った大型施設や地下鉄はハードな部分である。
しかし、これでは住民の意見など反映されていない。
多分、そんなことだとすぐダメになっていただろう。
ポートランドが成功した理由は、とにかくソフトな部分にお金と時間をかけたことなのだ。
街づくりにおけるソフトは、住民の意見。
住民に意見を聞き、できるだけ取り入れるように心がけた。
住民との意見交換は1回あたり2、3時間のものを20回以上にわたり繰り返したそうだ。
よく工場実習でも現地現物を見ろ!とか言われたもんなぁ。
とにかく問題を知るには実際に体験している人が一番わかってるってことだね。
これからの課題
そんな住みやすい街ポートランドにも課題がある。
それはホームレス問題。
住みやすすぎて、ホームレスが集まっちゃうらしい。笑
まぁ公園もたくさんあるし、ホームレスにとっては絶好の場所だよね。
また急成長したため、中間層に対する住居が足らないということも問題であるらしい。
贅沢な悩みだが、これだけいい街であっても課題は存在するんだね。
完璧なことなどないってことよ!
とは言っても、日本もこれからは課題だらけ。
人口が都心部に集中し地方が過疎化するわ、地方には老人ばかりで若者がいないわで・・・。
山崎さん曰く、世界でもこのような動きになっているが、地方の過疎化は一番進んでいるのは日本らしい。
だから世界でも注目されているし最先端を走っているのだから、これらの問題を解決して世界に名を轟かせるチャンスでもあるってこと。
ポートランド・メイカーズ
様々なポートランド在住のクリエイティブな6人にインタビューし、そのマインドを知れる本らしい。
僕もこの本については知らなかったので、ポートランドの本を読んだらそちらも購入する予定だ。
ちゃんと読んでからにしないとね。笑
この本は街づくりに関係がなく、生きていく上で参考になる考え方がたくさんある。
例えば、ナイキの10年後にどういった靴がいいのかという研究開発をされている南トーマス哲也さんの言葉で、
あえて未経験で苦しいことを体験する。
そうすれば、新しい自分や考えが生まれる。
実際にハワイでサメと一緒に泳いだり、めちゃくちゃ高い山に登ったりするらしい。
このように、成功した人の言葉を聞ける本であるのでとても勉強になると思う。
まぁ読んでないんだけど・・・。
よかったらどうぞ。
日本とアメリカの違い
日本と違い、アメリカには起業家が多い。
それはなぜか?
日本人が安定志向であるから?
いや違う。
失敗を認めないという教育であるからである。
アメリカでは起業家が集まって名刺交換する場などにおいて、こんな会話があるらしい。
A:やあ、君は何社目の起業なんだい?
B:僕は5つ目だよ。君は?
A:僕は7つ目だよ。どうだいすごいだろ?
B:本当かい?それはすごいな。
(細かい言葉はイメージです)
何が言いたいかというと、アメリカでは起業して失敗した数が多いことが自慢になるということ。
日本だったら、もう失敗ばっかなんだから辞めたら?って絶対言われる。
実際、マネーの虎という投資する番組で言ってたし。
あと、日本で破産申告したら一生つきまとうよね?
だけど、アメリカで破産しても7年したら全て消えるらしい。なんて寛容な国だ!!
ってか日本が異常なのか・・・。破産したらもう銀行、クレジットカード使えないなんて言ったら誰も起業なんかするわけないじゃん?
起業を増やすならルールや環境を変えていくことが大切なのかもね。
まとめ
街づくりに関わらず、問題を知るには現地現物を見たり、実際の被害者に聞くことが大切。
目に見えないような要望に時間とお金をかけることが、成功への道である。
失敗は成功するための一歩であり、失敗は自慢できること。
日本ではなかなか失敗は認められないけど、人の目を気にせずどんどん失敗して成功を手に入れよう。
おわり